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『銀色のシーズン』単独インタビュー 羽住英一郎監督

『銀色のシーズン』単独インタビュー 羽住英一郎監督
 

『海猿 UMIZARU』(2004)と『LIMIT OF LOVE 海猿』(2006)で人命救助に青春を捧げた若き潜水士たちの奮闘を描いた羽住英一郎監督が、舞台を海から雪山に移し、スキーに情熱を注ぐ破天荒スキーヤーたちの友情と再生を活写した『銀色のシーズン』(2008年1月12日(土)全国東宝系にて公開)。

スキー客でにぎわう町営スキー場で“何でも屋”を開業している銀(瑛太)は、2人のスキー仲間とともに、毎日大騒動を起こしている問題児。そんなおり、このスキー場で恋人と結婚式を開くという女性・七海(田中麗奈)がやってくる。式を成功させたい周囲の大人たちは、厄介者の銀の扱いに手を焼くが、しかしどうしても面と向かうことができない。その理由は、モーグル選手として将来有望でありながらケガで引退を余儀なくされた、銀の苦い思い出が関係していた――。

山頂から一気にスキーで滑り降りるダイナミックな滑走映像、そして、ワケアリの銀と七海が少しずつ打ち溶け合っていく爽やか&繊細なドラマが心地良い本作。PRキャンペーンで来阪した羽住監督に「個人的には『海猿』以上に楽しめました」と率直に感想を話すと、「実は僕もそうなんです」という答えが返ってきた。「オリジナル脚本で映画を作りたい」という念願が、映画4本目にしてついに叶った羽住監督に話を聞いた。

__『銀色のシーズン』はとても爽やかな作品ですが、もともとは『血みどろスキー教室』という真逆の作風が構想にあったそうですね。

僕は、“褒め言葉的なバカ”が好きなんです。計算高くない、それでいて優しいバカ。そこで『血みどろスキー教室』を思いついたのですが、マッド・サイエンティストが出てくるような物語で、さすがにその内容まではいえませんね(笑)。あと、『ロッキー』シリーズみたいな挫折した中年男のスポ根映画を撮りたいなって。

で、「雪山を舞台にしたオリジナル映画を作ろう」というアイデアは、1作目の『海猿』の頃から温めていたんです。雪山にはたくさん“バカ”がいて、コケるとめちゃめちゃ痛いのに手すりをスキーで滑って、それができたからって褒められるわけでもないのに、ずっと挑戦している奴らがいて。「こいつら、バカだな〜」と楽しんで見ていたら、「こういう男たちを主人公にしたいな」と思ったんです。

だから、その雪山での光景をバックグラウンドにして、『血みどろスキー教室』のバカなところ、そして『ロッキー』風の「挫折」を交えると、『銀色のシーズン』ができあがった。以前、抱いていたアイデアを、ちょっとずつ組み合わせたら、本作ができあがったんです(笑)。


__コメディとシリアスをうまく演じ分けた瑛太さんのうまさも光りますね!

個人的に、瑛太に対して“真っ白なイメージ”を抱いていました。いろんな役をやっているわりに、何色にも染まっていない感じ。オリジナルの脚本なのでキャラクターもゼロから作り上げていったから、そういう意味では“真っ白”な瑛太は、役にぴったりハマっている。お客さんも「瑛太だから、きっと銀という男はこういうタイプなんだろうな」という想像がつかないんじゃないかな。極端にいえばもしかすると死んじゃうかも知れないし、良いヤツか悪いヤツか、それもわからない。そういう魅力を、瑛太なら引き出せると思いました。


__初のオリジナル脚本ということで、ストーリーを作る上で、どういうところに気を配りましたか。

「飽きさせない映画」を目指した。感情を揺さぶる場面はもちろん必須だけど、説明過多になることだけは避けたかった。映画のすべてがそこで見えちゃって、物語の着地点がわかってしまう。そうなると、どんな演出でも前フリに思えてしまう。だから、この映画の行き先はあえて見せないようにしています。どうなるのかわからないまま、お客さんが想像しそうなことをコチラも想像して、裏をかいていくような作りにしましたね。


__羽住監督の代表作『海猿』とは明らかに違うテイスト。個人的には『海猿』以上に楽しめました。

実は僕も同じ意見なんです。『海猿』では、ある感動の到達点までもっていくために、比較的分かりやすく物語を組み立て、ともすれば読めない漢字にふり仮名をふるかのように演出して、「みんな、ここが気持ち良くなれるポイントですよ」と指し示していたけど、『銀色のシーズン』は、そういうことはしていない。お客さんの想像をうながしている。だから、各キャラクターがいったいどうなるのか、考えながら観て欲しいですね。


Text:田辺ユウキ


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羽住英一郎監督

羽住英一郎監督 プロフィール
1967年、千葉県生まれ。テレビドラマ『踊る大捜査線』や劇場版1作目『踊る大捜査線 THE MOVIE』で助監督などを経て、2004年に『海猿 UMIZARU』で映画監督デビュー。2005年には『逆境ナイン』を手がけ、さらに翌年には『LIMIT OF LOVE 海猿』を監督し大ヒットに導く。


『銀色のシーズン』
白銀の世界を爽やかに舞う
“雪猿”たちの青春
     



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