
1980年12月8日、凶弾に倒れた世界的ミュージシャン、ジョン・レノン。あれから27年目を迎えた2007年末、映画界は彼に大きくクローズアップする。『PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』はジョンが世界にどれだけ影響力をもたらしたかを知れるドキュメンタリー。それを“表”とするならば、“ジョンを殺した男”の葛藤を描く『チャプター27』はまさしく“裏”の世界である。なぜ、彼は失われたのか。周辺では何が起こっていたのか。この2作品で真実の一部がひも解かれていく。

ベトナム戦争の状況がますます悪化していた1968年頃。世界的ミュージシャンのジョン・レノンは、平和を強く訴え始めるようになる。
妻のオノ・ヨーコと新婚旅行で訪れたアムステルダムでは、1週間ベッドで過ごし反戦を主張する「ベッド・イン」を行い、さらには自費を投じて「WAR IS OVER!」の巨大ポスターを掲出。その後、発売された楽曲『イマジン』の成功により、彼の反戦運動はますますクローズアップされる。

激化するベトナム戦争への抗議のため、ジョンと妻のヨーコは、ユニークな平和活動を展開する。しかしアーティストならではの独創的な発想は周囲に混乱を招くことも多く、何度となくその意味をめぐって激しくやりあうことになる。映画の中でも映し出された活動の一部をご紹介。


当時の世界は、ジョンの発表する楽曲はもちろんのこと、あらゆる発言、パフォーマンスにも敏感に反応した。そんな彼の影響力に脅えたのが、ベトナム戦争の泥沼化を解決できない、ニクソン大統領とアメリカ政府だった。
ジョンが1969年7月に発表した『平和を我等に』(原題『Give Peace a Chance』)は、同年11月に行われた25万人による戦争反対デモで斉唱され、さらに翌月はジョンとヨーコが「WAR IS OVER!」のメッセージを掲出。ジョンの脅威にさらされた政府は、彼が左翼の活動家と行動をともにしていたことに目をつけ、危険人物としてマークを開始。何とFBI捜査官による監視、盗聴も行われていた。
さらに政府は、過去の大麻所持による逮捕歴を理由に、レノン夫妻の米国追放に乗りだす。大麻の逮捕歴を持つ移民の著名人など、多数いたにも関わらず。だがジョンも、それが不当逮捕であったと訴え、徹底抗戦の構えをみせる。こうして、「グリニッジ・ビレッジに生まれなかったことを後悔している」と言い切るほどニューヨークを愛した男は、皮肉にもその国と4年半に渡って争うこととなる。
そんな中、政府とやりあうジョンが口にしたコメントが心をうつ。それは「俺のやりたいことはロックンロール・バンド。それだけは奴らに奪いとらせない」。ミュージシャン、ジョン・レノンのまさしく本音である。

本作ではビートルズ時代、そしてソロ時代の楽曲、39曲が使用されている。それらの歌詞に込められたメッセージは、どの時代にもあってもふさわしい普遍性をおび、今聴いても色あせている印象はまったく受けない。
そんな音楽の意図をより効果的にくみ取りやすくするのが、映像である。特に名曲『イマジン』に挿み込まれている、戦争の悲惨な光景の画に、目は釘づけとなる。
反戦デモで25万人が口ずさみ、またジョンがギターを手にシャウトする『平和を我等に』も圧倒的な迫力。それに『レボリューション』などのビートルズ・ナンバーとステージ・パフォーマンスは、ビートルズを知らない若者にとって貴重なフィルムとなるだろう。
| 2007年12月8日(土)公開 | |
| 2006年 アメリカ 99分 | |
| 配給 | ザナドゥー |
|---|---|
| 監督 | デヴィッド・リーフ ジョン・シャインフェルド |
| 出演 | ジョン・レノン オノ・ヨーコ ジョン・ウィーナー |
| 公式サイト | http://www.peacebed-johnlennon.com/ |
© 2006 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.
| 2008年春は、この話題作5本で決まり! |
| ウォン・カーウァイ監督×ノラ・ジョーンズ×ジュード・ロウ 優しくて甘い、失恋カフェ |
| 「君は死ぬことについてどう思う」金城武が死神をユニークに演じる |
| 驚異のVFXで展開する瞬間移動バトル。ヘイデン・クリステンセン主演のSFアクション |
| ディズニーがディズニーのパロディに挑戦!?アニメから実写の世界に飛びだしたヒロイン |
| 超大作ファンタジー・シリーズの第1章。ライラが果てしない旅の第一歩を踏み出す! |
| 波乱含みのオスカー争奪戦! 2007年度の全ノミネート作品を紹介 |
| オススメのラブ・ストーリー&おもしろ映画をご紹介! |
| 『デスノート』のスピンオフ作品 天才探偵・Lの「最期の23日間」が描かれる |
| ママさん版『フラガール』!?音楽喜劇の新しい名作が誕生 |