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第80回アカデミー賞特集

第80回アカデミー賞特集

波乱含みのオスカー争奪戦! 2007年度の全ノミネート作品を紹介

2008年2月25日(月/日本時間)に開催される、世界最大の映画の祭典「2007年度アカデミー賞」。今回で80回目を迎える本賞だが、米脚本家組合のストライキの影響で授賞式開催の危機もささやかれている。戦時下でも行われるなど、これまで中止された前例はなし。幕が開く前から波乱の気配が・・・。

2007年度アカデミー賞のポイント

ここ2年、「オスカー大本命」と呼ばれる作品はなし。しかし、今年度ほど混戦模様なのも珍しい。最多ノミネートはコーエン兄弟監督作『ノーカントリー』とポール・トーマス・アンダーソン監督作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の8部門。続いて、キーラ・ナイトレイ主演作『つぐない』とジョージ・クルーニー主演『フィクサー』が7部門で候補に挙がっている。どの作品にも「ふたを開けてみれば、ひとり勝ち」という可能性がある。

世界中で大人気のジョニー・デップは『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』で主演男優賞候補に。3度目のノミネートで初戴冠なるか!? また、日本人俳優・浅野忠信が主演を務めた、外国語映画賞候補作『モンゴル』にも注目が集まる。彼の所属する芸能事務所「アノレ」は、2006年度アカデミー賞の主要部門にノミネートされた『バベル』の菊地凛子、『硫黄島からの手紙』の加瀬亮が所属しており、2年連続で所属俳優を大舞台に送りこむことになる。

前年度アカデミー賞は、『ディパーテッド』のマーティン・スコセッシが、6度目の監督賞ノミネートで悲願の初受賞に輝くなど“スコセッシ一色”だったが、さて、今回はどんなドラマが待っているのか。

作品賞/監督賞 主演男優賞/主演女優賞 助演男優賞/助演女優賞 その他部門 ノミネート作品公開情報

主要6部門の展望

作品賞

『つぐない』
『つぐない』
『JUNO/ジュノ』
『JUNO/ジュノ』

勢いのある『JUNO/ジュノ』

日本では単館系での公開が予想されている、通好みで中身の濃い5作品が揃った。

アカデミー賞前哨戦であるゴールデン・グローブ賞作品賞(ドラマ部門)を制した『つぐない』が一歩リードしているが、このところ、ゴールデン・グローブ賞と本賞が直結していないのが気になる。それでも作品の良さは折り紙つきで、順当ならコレ。

ただ、低予算でありながら口コミで評判が広がり、全米大ヒットを記録した『JUNO/ジュノ』も勢い十分。16歳の女子高生による妊娠騒動をキュートなタッチで活写し、『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年度ノミネート)のような温かい支持を集めている。

大金をめぐる3人の男による逃亡・追走劇『ノーカントリー』、ある男の転落人生を描いた『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』は、戦前から最有力視されている2本。ジョージ・クルーニーお得意の社会派ドラマ『フィクサー』は脚本に力あり。

ノミネート

  • ○『つぐない』
  • ◎『JUNO/ジュノ』
  • ■『フィクサー』
  • ■『ノーカントリー』
  • ■『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

受賞結果発表
『ノーカントリー』

小粒ながらも良作が揃った作品賞を受賞したのは、戦前より『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と予想を分けあった『ノーカントリー』に戴冠。「近頃の犯罪は動機がわからない」という老警官のひと言が、その後の展開のすべてをものがたっているクライム・ムービー。『つぐない』は監督賞に入らなかったのが痛かった。

監督賞

『ノーカントリー』
イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
(『ノーカントリー』)
『潜水服は蝶の夢を見る』
ジュリアン・シュナーベル
(『潜水服は蝶の夢を見る』)

前哨戦の帝王「コーエン兄弟」

イーサン&ジョエルのコーエン兄弟とポール・トーマス・アンダーソンという、映画界きっての鬼才が激突。

『ファーゴ』で1996年度の脚本賞を受賞したコーエン兄弟は、前哨戦のゴールデン・グローブ賞作品賞(ドラマ)は逃したものの、「受賞作がアカデミー賞監督賞の大本命」といわれるアメリカ監督組合賞に輝いており、オスカーにもっとも近い。一方のアンダーソンは、これまでの作風と一転させた『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で勝負。

また2人の間に割ってはいるなら、フランス人監督のジュリアン・シュナーベル。『潜水服は蝶の夢を見る』は批評家人気がすこぶる高く、ゴールデン・グローブ賞の監督賞も受賞。ダークホース以上の存在で、注目度は増している。

『サンキュー・スモーキング』で脚光を浴びたジェイソン・ライトマン、マット・デイモンの『ボーン』シリーズの脚本家でおなじみトニー・ギルロイはどこまで迫れるか。

ノミネート

  • ○ジュリアン・シュナーベル 『潜水服は蝶の夢を見る』
  • ■ジェイソン・ライトマン 『JUNO/ジュノ』
  • ■トニー・ギルロイ 『フィクサー』
  • ◎イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン 『ノーカントリー』
  • ■ポール・トーマス・アンダーソン 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

受賞結果発表
イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン『ノーカントリー』

1996年アカデミー賞で「監督賞最有力」といわれながらも、賞を逃した『ファーゴ』の雪辱を果たしたコーエン兄弟。一時は混迷期もあったが、『ノーカントリー』で見事な復活をとげた。ちなみに『JUNO/ジュノ』で才をみせたジェイソン・ライトマンは、近い将来必ずオスカーを獲るだろう。アンダーソンは最大のチャンスを逃したか。




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