海の家といったら海水浴にはつき物だけれど、[海の家 もりすけ]があるのは福島の街中。それも年中無休の営業と来たもんだ。海の家の常識を覆すことだらけのこの店、果たして店内はどうなっているのだろうと暖簾を潜ると、そこにはビールケースに木の板を乗せたテーブルやイスが並ぶ。そして、ふと視線を横に移すと冷蔵庫の上に積まれているのは浮き輪、さらに奥にはシャワールームと書かれた扉まで。その芸の細かさからは、街中に海の家を作り出そうという気合がひしひしと伝わってくる。
もちろん内装だけでなく料理も海の家仕様。「盛り付け焼き」(写真中)は炭火が入れられた七輪で、お客さんが自ら魚介や野菜を焼いていくのだ。トングで魚介を網の上に並べたら、「刺身盛り合わせ」(写真上)を口にしながら焼き上がりを待つ。するとサザエや殻付きホタテはぐつぐつと音を立て始め、ハタハタからはじわじわ脂がしみだして来る。頃合いを見計らってしょう油を流しかけていただくと、口いっぱいに広がるのは香ばしさと磯の香り。するといやおうなくお酒も進んでしまうという訳。
目の前に海がなくても心なしか波の音が聞こえてきてしまうのは、決して酔いのせいだけではない。