おばあちゃんが1人で切り盛りする手焼きあられ専門店。通りに面した3段重ねのガラスケースには、四角や球体、棒状など様々な形のあられがひしめき合う。聞けばその数は40種類にも及ぶのだとか。これだけあるとどれにしようか迷ってしまう。そこで「おすすめは?」と聞くと、答えの代わりに帰ってくるのは、「好みは硬いの柔らかいの?味は甘いのと辛いのどちらが良い?」という質問。そんなソムリエと交わされるようなやりとりの後に、自分が頭に思い描いていたあられをおばあちゃんが目の前に差し出してくれるのである。
そんな数多くあるあられの中で、今回はこの2種をご紹介。「ふりそで」は形が若い娘さんの振袖を思わせることから名づけられたもの。塩が程よく聞いた後引く味わいに、ひとつふたつと手が伸びる。軽やかに口の中で砕ける食感もまた病みつきに。「三色」は名前の通りしょうゆとエビ、ゴマの3種類が彩りよく配分されたあられだ。それらは見た目よりも薄味で、お米の豊かな甘みがじんわりと口いっぱいに広がっていく。
一口サイズのあられはおつかいものにも好評を博すそうだが、日常のおやつにも実はぴったり。という訳で寺町散策では、つい3段重ねのガラスケース前で足を止めてしまう。