中崎町な人 [大阪・中崎町]
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堀江とも新町とも靭公園とも違うカフェワールドが広がりつつある中崎町。
じゃあ、そこでカフェしてる人ってどんな人?なんでこの街で始めようとしたの?そして一番聞きたいのは、どうしてこんなカフェにしたの?
今回は中崎町でないと駄目だったカフェの店主3人にインタビュー。料理やインテリアのこと聞くより、店主の話に耳を傾けた方がよっぽどそのカフェと中崎町のことがわかるってもんですよ。



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外国の真似でなく、日本の文化から芸術活動を立ち上げたいと思って、日本中を旅していました。下町で地元の人たちと交流しながらっていうのが理想で。そんな時に出会ったのが中崎町。MBSやロフトをバックに戦前の住宅街がある。昔と現在がひとつの風景になっているのを見て、「地元の人と、日本人が何を失い得たかを感じながら創作活動ができる」と確信しました。
築100年以上の空家を改装したのですが、廃材を一切出さない方法でやりました。というのも最初に吹抜を作るために天井を壊した時、とても後悔したからです。古い建物だったけど前の人が大切に使っていた様子も残っていました。そんな家に手をいれるなんて、すごい悪いことをした気分になりましたね。だから、釘1本にしても捨てずに大切に抜いて再利用しました。
最初はひとりでしたが、じょじょに色んな人が手伝いにきてくれました。初めは近所に住む3歳と2歳の姉弟。「何してるの?」って興味本位で聞いてきて、手伝ってくれました。次が近所の大工の棟梁。最初は入り口で恐い顔して突っ立っていたんです。文句言われるかなって思ったら、「ノコギリ逆さまに使てるで」って教えてくれて。宣伝もしてないのに、オープンするまでに1000人以上の人が力を貸してくれました。おかげで改装期間の3ヵ月間は地元の人の差し入れだけで食べていけましたし。人間の細胞って3ヶ月で全部作り変るんですよ。そういう意味では今の僕の体って、中崎町でできてるのかなと思っています。
>>[Salon de AManTO 天人]
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近畿大学の学生だった男の子ふたりと一緒に卒業製作で長屋をカフェに改装したのが、この店を始めたきっかけです。製図や論文もいいけど、現実に何かを作ろうと考えたんです。もちろん大学で建築は勉強していたんですが、現場の経験がないので大変でした。たまたま店の向かいが大工さんの倉庫だったんです。その大工さんが私たちのやってることに興味をもってくれて、色々教えてくれましたね。
階段があるんですけども、それを作る時も最初は釘で固定する簡単なのを考えていたんです。けど大工さんが「そんなん不細工やで」って言って、切り込みを入れて階段をはめ込む作り方を教えてくれたりしました。一番思い入れがあるのは1階の窓ですね。古いガラスを何種類も使ってデザインしたんです。カフェのコンセプトが「古きよきものを見つめ直す」というのがあって。その雰囲気がよく出てるかなと思っています。
カフェだけでなく、アート作品の展示などもしています。変ったところでは、店の前の大工さんの塀に近所の子供たちと一緒に絵を描くっていうイベントもやってます。これなんか毎年の恒例行事になってしまって。第1回目に絵を描いた小学生の子が、今は中学生になってるんです。よく宿題をうちの店でやりに来てくれてますね。お世話になった大工さんも毎日コーヒー飲みに来てくれます。多いときは1日4回とか来て、自分の家みたいにくつろいでくれるのが嬉しいですね。
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カフェをやりたい人がすごく多いんですけど、脱サラしてオープンしても半年ももたない店が結構あります。そこで、ひとつの空間をみんなでシェアしていけばどうかと思ったんです。週1回だけ月1回だけとか。そこでお客さんがついたら独立する。不動産を借りないでお店を開業する。フリーマーケットみたいなもんですね。
あと、カフェというのはメディアとして非常に間口が広いなと思っています。劇場ならお芝居をする以外では使いにくいんです。けど、カフェという器の中だとライブをやることも芝居をやることも展示会をやることもできるんです。
そうやって見ていくと中崎町という街も本当に面白いですね。表現としてお店を出したいとか、ライブをやりたい展覧会やりたいという人が集まっているんですよ。そんな人の流れの盛んな場所なら、このカフェも運営のしがいがあるかなと思っていましたので。しかも日替わりマスターというシステムだから、毎日来たら何十人とそんな人たちと知り合えるんですね。
確かにこのカフェは、劇場に比べると照明や音響などでは見劣りします。けど劇場だと芝居好きの人としかつながりが作りにくい。でも、ここにくるとジャンルを超えてコミュニケーションをとらざるを得ない。たまたまお茶を飲みにきたお客さんが、お芝居にふれることができる。カフェをやりたい人とお芝居をやりたい人がつながっていく。そういう意味では、このカフェは劇場以上だと思っています。
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